理事長あいさつ
社会福祉法人あおばの実 理事長 山本章
2023年10月10日
社会福祉法人は、地域における社会福祉事業を主たる事業とする非営利法人です。制度や市場原理では満たされないニーズについても率先して対応していく取り組み、すなわち「地域における公益的な活動」が求められています(全国におよそ2万法人)。そして、株式会社等の他の経営主体と異なることを地域住民等に伝え、地域のニーズへの対応をしっかり取り組んでいかなければならない、とされています。
私共横浜市青葉区で精神障害者の自立支援事業を実施しておりました、NPO 法人「木の実の会」、「青葉の樹」及び「メンタルサポートあおば」は、本年3月20日付で設立、4月1日付で3法人の全事業(7事業所)を継承の運びとなりました。認可当局はもとより、ご支援、ご協力をいただきました様々なお立場の多くの方々に改めて感謝申し上げます。
3NPO法人はこれまで、それぞれ精神障害者のための地域活動支援センター(日中活動のための旧作業所)、グループホーム及び相談事業を主体とする生活支援センター、訪問介護事業などを運営していましたが、各事業の継続はもとより、今後さらなる事業の充実・拡大を目指して、昨年来社会福祉法人化の準備を進めてまいりました。
この度の設立準備作業を振り返ってみますと、3NPO法人には既存の社会福祉法人によくある土地・建物など、資産らしいものが何もないという実情でした。しかも共同でいきなり社会福祉法人化を目指すなど、極めて異例の申請に認可当局側にも戸惑いがあったようです。しかし最近の制度改正などもあって、運よく認可されたという実感です。
この新法人は、うつ病・適応障害・統合失調症・てんかん・気分障害(躁うつ病)などの精神障害のほか、発達障害の方々に対して、医療行為以外のよろず相談と様々な自立支援事業を行っています。また、これまでご縁の少なかった引きこもりの方々に対して、もっと手を差し伸べることも今後充実するべき課題と捉えています。
ここでこれまでの経験を申し上げますと、精神障害者の自立支援事業は身体や知的障害の分野に比べて後れを取っている、と言わざるを得ません。ある意味では始まったばかりとすら言えます。このため私共の活動は、今後もしばらくは、模索・試行段階が続くと考えられます。
最後に一言。利用者・ご家族・職員・行政機関・支援者・・・、およびその他大勢の方々のご理解・ご支援・ご協力を頼りに、地域社会に役立つ一社会資源として認めていただけるよう努力する所存です。今後ともご支援・ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
(上述の3NPO法人による社会福祉法人化の経緯は、拙著「出でよ!精神科病棟 大勢で大勢の自立を支援する」薬事日報社刊、で詳述しました。)
社会福祉法人あおばの実
理事長 山本 章